FEZA2021 Virtual参加報告
東京大学工学系研究科化学システム工学専攻 大久保・脇原・伊與木研究室 博士課程
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本レポートでは,7月に行われたFEZA2021 Virtualに参加した私なりの率直な感想を綴らせていただく。
COVID-19の影響で1年の延期を経て,オンラインでの開催になった本学会であるが,私自身が開催前に予想していたものに比べると,参加者も多く口頭発表での各セッションでの議論も活発に行われた学会となり,参加して非常に良かった。ただその中で本学会は,オンラインの良さおよび今後の可能性と,悪さおよび今後の課題が如実に現れた学会であった。
まず,なにより良かった点としては各Oralの発表が質疑応答も含めて録画されていた点であろう。すべての発表の録画が概ね翌日にはアップされており,学会期間中や学会終了後にも視聴が可能になっており,時差であったり,セッションが重なっていたりと様々な理由で視聴が難しい部分に対して後から見直すことができ非常にありがたかっただけでなく,興味をもった講演を何度も見直し細かく振り返ることができるのは重宝した。実際私自身,例えばMolier先生の講演は3回ほど視聴させてもらった。こうした取り組みはオンサイトの学会でも導入できる可能性を感じる部分であった。その他,本学会はチャットにかかれた質問を司会者が拾っていく形式であり,時間管理も含めてコントロールの難しさを予測していたが,各セッションで司会者が非常にうまく場を回してくれているのが印象的であった。私自身,自らの発表において司会者の方に非常に助けていただき感謝している。
対して,大きな問題点してはポスターセッションの活用法が挙げられる。本学会では特定のポスターセッションの時間が設けられるわけではなく,開催期間中常時ポスターがwebページ上に掲載されて,ディスカッション等は個々でやり取りを行う形であったが,相手が見えないだけでなく,ポスターの形式も発表者によってまちまちで自分の見る限り活発な議論が行える環境ではなかったのではないかと感じた。その他にもその場その場で起きるトラブルへの対応の難しさも感じた。
最後に,改めて述べることになるが,本学会は2年ぶりのゼオライト関連の大きな国際学会であり,オンラインの難しさの中でも口頭発表に関しては活発な議論が行われていた。私自身参加できたことを非常に嬉しく思っており,今回の機会を提供してくださった方々には感謝したい。一方で,私個人としてはオンラインの学会に物足りなさを感じる部分もあり,将来的にまた世界中から多くの参加者が一堂に会するようなオンサイトの学会が開催できる世の中になることを切に願うところである。
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